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月影の鎖 -錯乱パラノイア-
月影の物語
月影の絵巻物
月影の秘密
代々譲り受け継がれる母の召し物
倒れる兄、受け止める妹
風邪っぴきの兄、不安の妹
秘密だらけの旅人、榛名望
僕色に染まる女
貴方について行きます、何処までも
この手を取ってくれますか?
貴方と私を隔てる壁
名前を呼んで?
君への想いを艶紅に乗せて
僕は相当馬鹿で最低
痛みの無い愛など存在するのでしょうか
好きだよ
淋しいなら、その身も心も慰めてあげる
君に合法的に触れられた
虚ろな瞳を湛えし青年
お国を守る陸軍軍人、猪口渉
貴方のためなら私は……
来年は何が貰えるのでしょうか?
陽の光の下でも幸せを
今日は、難しい話はなしにしませんか?
少しむず痒い傷の手当て
お前を救うとこの剣に誓おう
抜刀する軍人
我慢ばかりだなんて辛すぎる
貴方が助けてくれたから
つかの間の幸せの刻
揺れる舟の上で貴方と
彼の贈り物は耳元にさやさやと
紅霞青年及び紅華楼所属、望月理也
満月夜想
……いいですか?
――月影に優しく照らし出され、
貴方とふたり、根付を見詰める
月を背に微笑む貴方
欲動、自制、決壊、後悔
冷たく光る彼の瞳に、馬鹿な女が映り込む
薬を塗る彼の手が肌の上を滑る
視界には満点の星
紅霞青年団、切り込み隊長
紅霞青年団頭領、神楽坂響
死地へ赴く姿は儚くも美しく
まるで蛹から孵化する蝶のよう
変わり果てた姿の妹、泣き崩れた親友
月よ、この世を照らす光なれ
炎の中を一歩一歩進んでいく
紅華楼大広間、燃え盛る炎の中で
背に畳の感触を得ながら
海軍士官学校時代
包帯の下の素肌は
空気を切り裂くが如く
舞台裏の深い茂みの中で
翡翠玉の簪
突然私の手を取った青年
大輪の緋色の菊を咲かせた長羽織の英雄